ソナチネが魅せるキタノブルーの世界 北野武監督

ソナチネが魅せるキタノブルーの世界

北野武監督の『ソナチネ』。良い映画だった。

北野氏の初期の作品と言えば、『その男、凶暴につき』を代表に、“バイオレンス”に焦点があたることが多い。その点で言えば、本作は、北野氏の一連の“バイオレンス”物の白眉(名作)として、位置づけられている。

しかし、私は、本作品に“優しさ”を感じた。この辺りの詳細について書くと、ネタバレになってしまうので遠慮して、色彩について少しコメントをする。

絶妙な青の使い方: ソナチネが魅せるキタノブルーの世界

青の使い方が絶妙。

暴力団の抗争を主に扱う前半・後半部では、色彩は、全体的に青みを帯びている。いわゆる、“キタノブルー”だ。色使いは、キシェロフスキの3部作、『トリコロール/青の愛』に通じるものがあると思う。

は、陰鬱若さ憂鬱などを示唆する。

暴力団との抗争からくる陰鬱な雰囲気

そこに巻き込まれた青臭さの残る若者たち。

一抹の不安からくる登場人物たちの憂鬱な心情

梅雨から夏にかけての季節という自然環境。

全体的に、少し画面が青みがかっているだけなので、力強く青が意識されることはない。

だが、観客に対して、この映画の雰囲気・登場人物たちの心情・その後に待ち受ける宿命・運命を潜在的に上手く伝えていたのではないかと思う。

晴れ渡る沖縄の青い空に、綺麗な浜辺。暴力団の抗争の最中にあることを忘れさせられる

一方で、暴力団の抗争から一時隔離された沖縄の隠れ家での生活の一連のカットでは、“キタノブルー”が用いられず、雨が上がり、曇天の雲間から陽光が差したような明るさだ。

真夏の沖縄の海辺

真蒼の海を背景に、若い子分たちと共に、童心に戻ったような生活を送るその姿は、彼らが暴力団の抗争の最中にいることを、忘れてしまうほどだ。

物語の最後のシーンを、それまでの流れと絡めて、どう解釈するかによって、評価・判断が割れる作品だと思うけれど、私は、暴力団の組長として生きてきた1人の男の人間らしさ優しさ、つきつめて言えばを感じた。

是非、観ていただきたい名作である。ジブリで有名な久石譲氏がサウンドを担当しており、バックグランドミュージックも心地良い名作。キタノブルーの世界を、満喫して頂き、ラストシーンを味わっていただきたい。

レビューだけでも、チェックしてみて、TSUTAYAで借りて観てください。

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こぺる

個人投資家。金融機関出身で独立。#リップル #仮想通貨 #英語 についてツイート。高校時代にTOEIC900点達成。日英仏語トリリンガル。週刊SPA取材記事:https://amzn.to/2rM94NP

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